ぱぱハート

2児のパパの子育て日記。

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かいけつゾロリが盗んでいったのは長男のハートなのかもしれない

寝る前に,絵本を読むのが日課でした。

 

お風呂から上がり,パジャマを着て歯磨きを終えると,子どもは本棚から絵本を選び,ぼくのひざの上に座ります。

読み聞かせは,いつからか妻ではなく,ぼくの役割になっていました。

やわらかいパジャマに包まれた子どもは,風呂上がりだからか,あるいは既に眠いからなのか,いつも少し温かく,いい匂いがしていました。

 

子どもたちがまだ幼いうちは,絵本はどれも短いものばかりでした。子どもたちが望むのであれば,何冊でも読むことが可能でした。

次男が生まれ大きくなると,あぐらをかいたぼくの足の上に,二人の子どもたちが肩を寄せ合って並んで座るようになりました。

 

おやすみ前に絵本を読むことは,いつしか習慣になっていました。長男は特に言葉を覚えるのが早いと人から言われることが多かったのですが,そのことにはこの絵本の習慣が影響していたのかもしれません。

 

ぼくは,決して読み聞かせが上手なわけではありません。滑舌は悪く,抑揚のつけ方も不自然なものだったと思います。

それでも,多くの絵本を子どもたちと一緒に読み,いくつもの物語に触れました。多くの乗り物に乗り,たくさんの動物たちと出会い,遊んだり,冒険したり,料理をしたり,歌をうたったりしました。

子どもたちと一緒にそんな世界に浸る。おやすみ前の絵本の時間は,父子の幸せな時間です。

 

そんな日々にも終わりが訪れようとしています。

 

 

きっかけは2つでした。

1つ。子どもの読みたい本が長く,難しいものになってきたこと。

我が家の長男と次男は4歳差です。兄弟間で,理解できる物語のレベルには差があります。小学校に入学した長男の集中力,理解力のレベルがグッと上がり,「絵本」から「本」に興味の対象が移りました。長男が読みたい本は,次男が一緒に楽しむことのできるものではなくなりました。

また,寝る前に長男の本を30分,1時間とかけて読む体力は,夜のおっさんには残されていません。もちろん,途中で本を読むことを止めてしまえば,長男は不満を抱えたまま眠りにつくことになってしまいます。

 

そしてもう1つ。長男の文章を読む力が上がったこと。

小学校で読み書きを習得した長男。1年生ですが,夏休み前にはひらがなもカタカナも完璧にマスターしています。平易なものであれば,漢字も読めるようになりました。絵本レベルであれば,もう親に読んでもらう必要はありません。読みたいものを,読みたいときに,読みたいように,読む。そんなことができるようになりました。

 

どちらも長男の成長によるものです。うれしいような,なんだか寂しいような。そんな気持ちです。

 

そんな長男の読み聞かせ離れをさらに加速させたのが,かいけつゾロリです。

 

かいけつゾロリシリーズ

いたずらの王者を目指すキツネのゾロリが,旅をしながらトラブルを巻き起こし,それを乗り越えるストーリーの超人気児童書。子分の双子のイノシシ,イシシとノシシを加えた三人組は,ドタバタと騒動を巻き起こしては,ときに感動を伴い,ときにハタ迷惑な方法で困難を切り抜けます。タイトルに「まじめにふまじめ」をつけてアニメ化もされており,小学生ならだれもが知っているベストセラーです。

 

第1作「かいけつゾロリのドラゴンたいじ」が1987年の作品なので,かれこれ30年以上続く歴史のあるシリーズです。

 

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ぼくも小学生のときに夢中になって読んでいたことをよく覚えています。長男が読むようになり,数十年ぶりに再会したゾロリが,当時と同じ躍動感で駆け回り,キレのある頭脳と厚い人情,そして愛すべきおバカっぷりをいかんなく発揮していて,なつかしさに胸が熱くなりました。

 

ゾロリの志はいつもブレません。いたずらの王者になりたい。ママが大好き。お城とかわいいお嫁さんがほしい。特に食べ物に関していやしんぼ。弱いもの,困っているものは助ける。行動の意図が明確ではっきりしているので,小学生には感情移入がしやすいのではないでしょうか。

 

そして,小学生のハートをガッチリつかんで離さないのが,作中に現れるゾロリや敵(?)が作ったメカや建物,道具など。仕掛けがこれでもか,というほどてんこ盛りされたそれらの解体図には,詰め込まれたギミックについての説明が細かい文字でびっしりと書かれています。子どもならそれらを1字も余すことなく読み,夢が詰まったその非現実的な細工の宝石箱にワクワクするのでしょう。

 

ゾロリは常に,読んでいる子どもたちを意識しています。「おい,きみたち」と友人のように読者に呼びかけ,物語の内側に参加させます。下品なシーンには「ママとパパにはないしょだぜ」と描かれ,その本が子どもだけに向けられたものであることを強調します。

ターゲットは,あくまで子ども。その世界もストーリーも,子どもだけに向けられて描かれたものなのです。

 

そんな物語を,親に読み聞かせてもらおうなんて思いませんよね。長男も,最初の頃は「読んで」と本を持ってきていましたが,いまでは一人で読みふけっています。

 

手がかからなくなった長男の世界は,いままでよりもずっと広がったことでしょう。図書館や本屋さんに並ぶ本。その一冊一冊に物語が描かれ,その世界に自分の力で浸ることができる。読書の醍醐味に,少しずつ足を踏み込んでいくようです。

 

ぼくの膝の上から巣立っていった長男と,まだまだ一緒に物語の話がしたいので,ぼくもかいけつゾロリシリーズを読み込んでいこうと思っています。

ママにはないしょだぜ!

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