スコッチグレイン直営店で匠シリーズの靴を修理!
愛用しているスコッチグレインの靴を、専門の修理工場の修理に出してきました。
スコッチグレイン 匠シリーズ
スコッチグレインは、日本が誇る革靴ブランドです。創立は1978年。運営するヒロカワ製靴により、丈夫なグッドイヤーウェルト製法にこだわった靴が作られています。工場も日本にある点も大きな特徴です。
今回修理に出したのは、スコッチグレインの匠シリーズ HA9046の靴です。
多くのラインを展開しているスコッチグレインですが、その中でも匠シリーズは海外の有名なタンナーの上質な革を使用した靴を、安価で販売しているシリーズです。アウトレットやファミリーセールでしか手に入らないのが難点ですが、価格以上のクオリティで作られた靴はどれもコスパ抜群。匠シリーズは、買う機会に恵まれた方にはぜひ手に入れていただきたい靴です。
ぼくが履いているHA9046も、アウトレットで3万円ほどで購入したものです。「HA」はフランスのアノネイ社の革が使用されている靴に振られた型番で、他にドイツのワインハイム社の革が使われているものには「HG」という記号がつけられているそうです。アノネイは高級靴の代名詞にもなりつつあるタンナーで、エルメスの製品にも使用されていたりします。海外の高級靴にも使用されているタンナーの革を用いて作られた靴が3万円程度で手に入るなんて、ヒロカワ製靴さんには頭が上がりません。
HA9046の木型は、こちらもスコッチグレインの定番人気商品「オデッサ」と同じものが使われているのだとか。ロングノーズのラウンドトゥでありながら、細すぎずキツい印象もない、まさに「ちょうどいい」カタチです。内羽のストレートチップであらゆるシーンで履くことのできる、とにかく使い勝手のいい一足なんです。超おすすめ。
匠ジャパンでいざ修理
そんな9046ですが、購入して4年ほど経ちそろそろソールが薄くなってきたかな、ということで修理に出すことにしました。
すり減ったヒールソール
スコッチグレインは専門の修理工場「匠ジャパン」を有しています。自社メーカーの靴を自社工場で修理することができるのは国産の強みですね。工場や直営店に持ち込むか、郵送で受け付けてもらうことができます。
ぼくが向かったのはスコッチグレインecute上野店。上野駅構内にあり、改札を出ずに伺うことができる店舗です。
お願いしたのはオールソール交換。店員さんにヒールソールだけの交換にするか相談したところ、ソールの親指の付け根に当たる部分も薄くなってきているとのことだったので、すべて貼り換えていただくことにしました。お値段は14,000円程度。
靴の受け取り法方は、再度店舗に出向くか郵送してもらうことかを選ぶことができたので、送料880円をお支払いし郵送していただくことに。入院する我が子を預けた気分でお店を後にしました。うちの愛靴をよろしくお願いします。
修理に出したのが12月6日。そこから1か月と少し経った1月13日に靴が送られてきました。
箱に入っています。
おおおおおおお!
妻「床に靴を置かないでよ!」
ぼく「し、新品(みたいなもの)だもん!」
参考の修理前。なんだかやつれて見えます。
匠ジャパンに修理に出すと、無料で靴をワックス磨きしていただけるということでしたが、ここまでピッカピカになるとは。新品の靴とはまた違う、重厚感のある光沢です。4年選手ですが、まだまだきれいです。渋い色気が増したようで、新品よりも味があります。さすがアノネイ。光っています!
サービスでインソール(ハーフソール)と靴ひもも新しいものに交換していただいていました。いずれも純正なのがたまらなく嬉しいです。
そしてお願いしていたソール。匠シリーズの靴のソールにはもともと「匠」の刻印がされているのですが、残念ながら修理後のソールには刻印はありません。一方でヒールカップはスコッチグレインのロゴの入ったものが使われていました。
何より、スコッチグレインの職人さんに直していただいた靴であるため、文句のつけようのない仕上がりです。
履いてみてまた驚きました。グッドイヤーウェルト製法の靴は履き続けることで中のコルクが自分の足の形に沈み、足に馴染んでいく靴だと言われています。自分の足を包み込むような、自分だけの靴。修理した靴には、その感触が残っていました。もともと自分の靴なので履き心地が変わっていないのは当たり前ではあるのですが、ソールや靴紐、見た目がこんなにきれいになったのにも関わらず、それでも自分の靴であり続けていることに感動しました。
まとめ
結論として、匠ジャパンに修理に出して、大正解でした。傷や痛みを蓄積していた靴が、見事に甦りました。
オールソールの費用が送料を含めて15,000円程度なので、もう少し頑張れば新しい靴を買うことも可能ではありました。それでも愛着のあるいまの靴を修理して履き続けることには意味があるのかなと思っています。
プロが磨いても完全には消えることのなかった小さな傷やシワ、前述の履き心地も含め、他にはない、たった一足の自分の靴です。
グッドイヤーウェルト製法の靴は、通常3~5回はオールソールができると言われています。4年目にして初めてのオールソール交換でしたので、うまく使えればあと10年以上も現役でいてくれるかもしれません。
汚れを取ったり磨いたり、ときには修理に出したりしながら、これからも大事に履き続けていきたいと思います。